betrayal~元彼御曹司との不倫~
会社近くの喫茶店。
さっと辺りを見回し、知ってる顔が居ない事にほっとした。
「…この、泥棒猫」
美怜さんにそう言われ、やはり全て知られているのかと、観念した。
今さらだけど、中村春馬の奥さんであるこの人には、本当に申し訳ない事をしたと思う。
「本当にすみませんでした。謝罪だけで許されるとは思ってないです。慰謝料の方も払うつもりです」
と頭を下げると。
頭上でクスクスと笑っている声が聞こえて、顔を上げた。
「一回、言ってみたかった」
美怜さんがそう言ったと同時に、私と美怜さんが頼んだアイスラテが運ばれて来た。
美怜さんは機嫌良さそうに、そのグラスを持ちストローでアイスラテを吸い上げて飲んでいる。
「喉渇いてて」
半分程飲み干してそう言われ、私も喉の渇きを感じた。
緊張と恐怖で喉がカラカラで、私も同じように半分程一気にアイスラテを飲んだ。
「実は、私と春馬との結婚は偽装結婚なの」
偽装結婚?
「政略結婚じゃなくて…」
大きな企業の御曹司と令嬢との結婚。
美怜さんが大手百貨店の創業者筋の令嬢なのは、昔に噂で聞いているし、中村春馬本人に問い詰めた時も、そんな婚約者が居る事を認めていた。
企業同士の政略結婚といちいち誰も口にしないけど、そうなんだって私も周りも思っている。
「政略結婚も間違ってないけどね。
でも、私と春馬とのお互いの中では、偽装結婚だから」
「どういう事ですか?」
そう訊くと、美怜さんは全てを話してくれた。
さっと辺りを見回し、知ってる顔が居ない事にほっとした。
「…この、泥棒猫」
美怜さんにそう言われ、やはり全て知られているのかと、観念した。
今さらだけど、中村春馬の奥さんであるこの人には、本当に申し訳ない事をしたと思う。
「本当にすみませんでした。謝罪だけで許されるとは思ってないです。慰謝料の方も払うつもりです」
と頭を下げると。
頭上でクスクスと笑っている声が聞こえて、顔を上げた。
「一回、言ってみたかった」
美怜さんがそう言ったと同時に、私と美怜さんが頼んだアイスラテが運ばれて来た。
美怜さんは機嫌良さそうに、そのグラスを持ちストローでアイスラテを吸い上げて飲んでいる。
「喉渇いてて」
半分程飲み干してそう言われ、私も喉の渇きを感じた。
緊張と恐怖で喉がカラカラで、私も同じように半分程一気にアイスラテを飲んだ。
「実は、私と春馬との結婚は偽装結婚なの」
偽装結婚?
「政略結婚じゃなくて…」
大きな企業の御曹司と令嬢との結婚。
美怜さんが大手百貨店の創業者筋の令嬢なのは、昔に噂で聞いているし、中村春馬本人に問い詰めた時も、そんな婚約者が居る事を認めていた。
企業同士の政略結婚といちいち誰も口にしないけど、そうなんだって私も周りも思っている。
「政略結婚も間違ってないけどね。
でも、私と春馬とのお互いの中では、偽装結婚だから」
「どういう事ですか?」
そう訊くと、美怜さんは全てを話してくれた。