betrayal~元彼御曹司との不倫~
「札幌も春馬の単身赴任だし、こっちに帰って来てからも春馬と私は別居。
一応、春馬がこっちに帰って来てからは、親達に隠す為に住民票なんかは同じ所に置いてるけどね」

なんとなく、美怜さんはその彼と一緒に暮らしているのかな?という気がした。

でも、中村春馬は私と関係を持った夜、帰って行って…。
それに、この前も。

「この前、中村部長が私の部屋に泊まる時、誰かにそれを連絡していて…」

美怜さんではない誰かと、一緒に暮らしているのだろうか?

「あ、それは私」

「え?」

「別居って言ったけど、春馬とは同じマンションに住んでいてね。
部屋は違うんだけど」

「はい」

それで、帰らないと連絡するかな?

「一応、春馬の部屋の鍵も私持ってて。
それは、急にどちらかの親が来たりしたら困るからなんだけど。
ほら?春馬犬飼ってるでしょ?」

「犬?」

犬を飼ってるの?

「あ、知らなかった?
ほら、札幌で転勤になって、一人単身赴任だし、周りも知らない人ばかりで寂しかったんだって。
たまたま通り掛かったペットショップのショーウィンドウで目が合ったポメラニアンを衝動買いだって。
生き物だから、買うって表現はあれなんだけど。
カードで一括払いだって」

「そうなんですね…」

中村春馬にそんなイメージがなかったので、ちょっと意外で驚いている。

「それで、その時のLINEなんだけど。
その子、ポメ太郎っていうんだけど。
ポメ太郎の様子を見に行ってって、春馬からお願いされて。
朝も散歩に行って欲しいって言われて、それは早く帰って自分で行けって返したんだけど」

犬を飼ってるのは意外な話だったけど、その適当なネーミングは中村春馬らしいような気がした。

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