betrayal~元彼御曹司との不倫~
零斗を大切にしよう。
そう思うけど、それからの私達の関係は上手く行かなかった。
零斗が中村春馬に突っ掛かるあの出来事から半月後。

私と零斗は、別れる事となる。

「ねぇ、今日もとわちゃん中村部長と話していたよね?」

「仕事上、全く話さないなんて無理だよ」 

「じゃあ、とわちゃん会社辞めちゃえば?」

「…それは」

「…ごめん。…もう、俺、限界だよ。
とわちゃんと中村部長が同じ空間に居るのを見るだけで、気がおかしくなりそう…」

「うん…」

もし、逆ならば、と思うと。
私も耐えられないだろう。

「とわちゃん、俺達別れよう…。
もう、無理だよ…」

零斗はやっと楽になれたのか、声を出して泣き始めた。

今日迄半月程、私のマンションの部屋で零斗と一緒に暮らしていた。
この半月で零斗の荷物が沢山増えた。

部屋の真ん中で座り込み泣く零斗に近付き、その体を横からギュッと抱き締めた。
そうしたら、私も耐えきれなくて涙を流してしまう。

浮気をされて裏切られた事も辛いけど、浮気をして裏切ってしまった事も辛くて。
私と零斗は一緒に居たら、苦しみしか生まない。

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