betrayal~元彼御曹司との不倫~
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零斗と別れて一年後。
大きな書店の文房具コーナーで、ショーケース上のボールペンを見ていると。
「久しぶり、とわちゃん」
そう声を掛けられ、驚いて顔を上げた。
「零斗、久しぶり。
元気そうだね?」
会うのは10ヵ月振りくらいかな?
ニコニコと笑っている零斗に私も笑い返す。
こうやってこの人と笑顔で再会出来る事を嬉しく思う。
「零斗仕事の方、どう?」
「楽しいよ」
私達が別れて2ヶ月後。
零斗は文夢堂を退社した。
あの別れ話の夜、以前から迷っている事があると打ち明けられた。
うちと同じ文房具会社の、アルマジロ文具社の知り合いから、こちらに来ないか?と誘われていると。
零斗は入社してからずっと営業職なのだけど、本当は文房具商品の企画や開発の仕事に携わりたかったらしく、
そのアルマジロ文具社では、是非とも企画部に来てくれないか、と言われているらしい。
私と別れる事で、零斗は転職した。
零斗は私と結婚を考えていたみたいで、なかなか転職をする勇気がなかったらしい。
転職すれば今より給料は下がるから、と。
◇
「企画なんだけど、営業っぽい事もさせられるんだけどね。
うち、まだまだ小さな会社だから」
零斗の転職したアルマジロ文具社は、わりと新しい会社で。
でも、最近、アルマジロ文具社の商品をよく目にする。
現に今も、目の前に並んでいる。
「このアルマジロ文具社の、三割増しで字が綺麗に書けるボールペン、本当に凄いよね?
本当に綺麗に書ける」
「え、うちの商品使ってるの?」
「流石にライバル社の商品だから会社では使わないけど。
自宅用でね」
その三割増しで字が綺麗に書けるボールペン。
最近、雑誌や朝のワイドショー等でよく取り上げられている。
「今、その新シリーズでシャーペンも企画してて。
俺も携わってる」
「そうなんだ」
なんだか、元気そうなのもそうだけど、生き生きとしている零斗の顔が見られて良かった。
大きな書店の文房具コーナーで、ショーケース上のボールペンを見ていると。
「久しぶり、とわちゃん」
そう声を掛けられ、驚いて顔を上げた。
「零斗、久しぶり。
元気そうだね?」
会うのは10ヵ月振りくらいかな?
ニコニコと笑っている零斗に私も笑い返す。
こうやってこの人と笑顔で再会出来る事を嬉しく思う。
「零斗仕事の方、どう?」
「楽しいよ」
私達が別れて2ヶ月後。
零斗は文夢堂を退社した。
あの別れ話の夜、以前から迷っている事があると打ち明けられた。
うちと同じ文房具会社の、アルマジロ文具社の知り合いから、こちらに来ないか?と誘われていると。
零斗は入社してからずっと営業職なのだけど、本当は文房具商品の企画や開発の仕事に携わりたかったらしく、
そのアルマジロ文具社では、是非とも企画部に来てくれないか、と言われているらしい。
私と別れる事で、零斗は転職した。
零斗は私と結婚を考えていたみたいで、なかなか転職をする勇気がなかったらしい。
転職すれば今より給料は下がるから、と。
◇
「企画なんだけど、営業っぽい事もさせられるんだけどね。
うち、まだまだ小さな会社だから」
零斗の転職したアルマジロ文具社は、わりと新しい会社で。
でも、最近、アルマジロ文具社の商品をよく目にする。
現に今も、目の前に並んでいる。
「このアルマジロ文具社の、三割増しで字が綺麗に書けるボールペン、本当に凄いよね?
本当に綺麗に書ける」
「え、うちの商品使ってるの?」
「流石にライバル社の商品だから会社では使わないけど。
自宅用でね」
その三割増しで字が綺麗に書けるボールペン。
最近、雑誌や朝のワイドショー等でよく取り上げられている。
「今、その新シリーズでシャーペンも企画してて。
俺も携わってる」
「そうなんだ」
なんだか、元気そうなのもそうだけど、生き生きとしている零斗の顔が見られて良かった。