18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

10、夫の正体

 夏休みに入って、私はほとんど家にいることになった。

 遥さんが仕事に行っているあいだ、私はイラストを描いたり、料理を覚えたり、彼から与えられた宿題をしたりした。


 そう、遥さんはわざわざ私に数学の問題を与えて、帰ってきたら添削をするのだ。

 数学は辛いけど、タダで家庭教師をしてもらっているのだから、ありがたいことだよね。


 今日は、週に一度うちに掃除に来てくれる加賀さんが訪れる日だった。

 彼女はリビングとお風呂とトイレなどの掃除をしてくれる。

 正直、この家にはほとんど物がないから私がしてもいいんだけど、私には加賀さんと会いたい理由があった。


「わあ、すごい!」

 オーブンから取り出したのはふわっふわのシフォンケーキだ。

 私は加賀さんから料理やお菓子作りを教えてもらっている。

 なぜなら、彼女は遥さんの好みをよく知っているからだ。


「坊ちゃんはこのまま召し上がるのもお好きですよ。でもフルーツでトッピングしてもいいですね」

「はい!」

 大皿にシフォンケーキを置いて、泡立てた生クリームとカットしたフルーツを添えたら、カフェみたいな豪華なデザートが出来上がった。


 加賀さんはとっても優しいし、もうひとり母が出来たような気がして嬉しかった。


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