18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 響子の様子を見た遥は急に「あはは」と声を上げて笑った。


「あのさ、もしかして俺が病んでると思ってる?」

「えっ!?」


 響子は狼狽えながらも地面に転がる箒を拾い上げた。

 そして一歩だけ後退する。

 遥は薄ら笑いを浮かべながら話す。 


「安心して。学校で変なことはしていないから。いじめとか、そういうくだらないこともしていないよ。ただ、やられたことには相応の仕返しはするけどね」

 響子はどきりとして両手で箒をぎゅっと強く握りしめる。


「もしかして、逆にいじめられたりしているのですか?」

「それもないね。最近は」

「最近……?」

 遥は視線をそらし、燃え盛る炎を見つめた。


「さっきも言ったとおり、やられたことはきっちり返しているんだよ。先生にもバレないようにね」

 遥はそう言って、もう一度響子に目を向けた。


「相手もバレたら困るだろう。自分から仕掛けたことなんだから」

 遥の表情は、まぶしいほどの笑顔だった。それが、響子にとっては恐ろしく感じた。


「坊ちゃん……暴力とか、そういったことはしていないですよね?」

「目で見てわかるようなことはしないよ。ちょっとね、恐怖を植え付ければ二度と俺には近づかない」

 そう言って、遥は自分の胸もとに人差し指を当てた。


「坊ちゃん……!」

 不安げな声を上げる響子に、遥は満面の笑みを向けた。


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