18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
遥さんは少しのあいだ真顔で私を見ていたけど、急にふっと吹き出すように笑った。
「いろはの想像力は計り知れないな。俺が、君を、推しだと思っているのか?」
「そうだよ。だって、私も遥さんと同じことをしたの。翔真の写真をたくさん集めて、綺麗に保存して、それを眺めて楽しんでいたの。彼のことが知りたくてたくさんネットで情報を集めたし、彼の出てるテレビは全部録画したし、彼に関するネットの動画だって何回も見た」
あなただってそうでしょう?
私の写真を集めてあんなに綺麗に保存して、それを眺めて楽しんでいたんでしょう?
こっそり私の情報を集めて楽しんでいたんでしょう?
「好きな相手のことを知りたいと思うのは本能的なものだ。それがアイドル相手であっても恋人相手であっても」
遥さんは私から目をそらして言った。
彼の言い分もわかる気がするけど、私はそんな気分になれない。
「私も、遥さんと結婚して、遥さんのことが知りたいなって、前は思っていたよ。だけど、今は知りたくない」
あなたの心がわからない。
私に見せているのが本当のあなたなのか。
もっと他の顔があるのではないのか。
それは、私に受け入れられるものなのか。
「遥さんのことを、これ以上知るのは怖い」