18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「長門先生が……?」
そういえば、私のことをよく知っているような口ぶりだった。
先生に詰め寄られたとき、少し怖いくらいだったけど、なるほどそういうことだったのね。
だけど、そのこととは別に、あの人はなんだか怖い。
遥さんよりも怖い印象があるのは、もしかしたら私が彼のことをよく知らないからかもしれない。
だからって、あんなに意味深なことを言うなんて。
「匂わせ、すごかったよ」
真顔でそう言うと、遥さんの表情も冷たくなった。
「何か言われた?」
「わざわざ私のことをフルネームで呼ぶし、彼氏がいるのかって訊いてくるし、全部知っててそんなことを言うなんて、隠す気ないでしょ」
少し苛立ったせいか口調が強くなる。
すると、遥さんは困惑の表情で言った。
「そうか、ごめんね。もう君に接触させないようにするから」
その言い方に少し違和感を覚えた。
まるで、遥さんが主人で長門先生が従者みたいな……。
「長門先生は遥さんのお友達だよね?」
「ちょっと違うかな。彼は俺の言うことには逆らえないよ。そういう関係だから」
「どういう、関係?」
遥さんは困惑した表情で説明する。
「他人にはあまり理解できないような関係。でも悪い奴じゃないことははっきり言える」
答えになっていないような気がしたけど、これ以上問い詰めても遥さんは答えてくれないようだったので、諦めた。
もう先生が私に近づいてこないなら、それでいい。