18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「ねえ、ママ。私と遥さんが初めて会ったのはいつ?」

「急にどうしたの?」

 丁寧にパスタを分ける母は少し驚いた顔で私を見た。


「えっと、小学校の頃って聞いてたけど、あんまりよく覚えてなくて」

「まだ1年生か2年生だったものね。んー、でも、その前にも会ってるのよ。たぶん」

「えっ!?」

 それは初耳だ。
 

「いろははまだ4歳かそれくらいだから、覚えてないだろうなあ」

「そうね、奏太くんが生まれた頃で、私たちよく顔を見に行っていたのよね」

「いろはは赤ちゃんがいると喜んでいたよ」

「ほんと、奏太くんを弟にしたいって言って困ったわね」

 母が困惑の表情で、しかし口もとに笑みを浮かべて嬉しそうに言った。


「まあ、本当に義弟になったんだからよかったのかもね」

 と母は私に向かってにんまり笑った。


「実は、遥くんとは僕たちもあまり会っていないんだよ。彼は高校から家を出てひとり暮らしをはじめたからね」

「偉いわよね、本当に。思えば遥くんは小さい頃からとても頭のいい子だったわ。周囲の大人たちも度肝を抜かれるほどしっかりしていたわね」


 すごい。

 父と母の口から遥さんの情報がすらすら出てくる。

 私はつい食事を忘れて聞き入ってしまった。


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