18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「ううう、数学が……数学が、難しすぎる……!」
私は今日も数学という意味不明な学問に悩まされていた。
一体これは何の役に立つのだろうか。
日常生活において、まったく使うことがないし、これを学んで何か得るものがあるのだろうか。
はあ、とため息をつきながら本棚にある漫画を取り出した。
勉強したくない、漫画が読みたいという欲求に耐えられない……!!
『数学の具合はどう?』
うわあっ!
このタイミングで来る!?
『順調です』
と即座に返した。
すぐに電話がかかってきたので、急いで応答した。
「はい……」
スマホを持つ手に汗が滲んで滑りそうになる。
『勉強してる?』
「あ、うん……もちろん」
『漫画読んでたんだ』
「えっ!? どうして」
どこかで見ているのだろうか。
まさか、監視カメラとかあったりして。
などと思いながら部屋中をぐるりと見まわした。
電話の向こうで遥さんはクスクス笑った。
『いろはは隠しごとができないね』
「あ、わざとなのね。ひどい!」
とりあえず漫画は本棚に収めた。