18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
食事を終えると、おじさまはあまりゆっくりすることもなく帰ることになった。
これから仕事があるらしい。
母は玄関で見送ったけど、私は庭まで出て見送りをすることにした。
「ああ、ここでいいよ。迎えの車が来るからね」
おじさまは門の前に立ち、微笑んで言った。
まったく迎えの来る車が見えなったせいか、おじさまは私に話しかけてきた。
「遥とは、うまくやっているかね?」
どきりとして一瞬固まった。
だけど、変に思われてはいけないから、笑顔で答える。
「はい。だけど、遥さんは完璧すぎて、私なんか何もできなくて申しわけないくらいです」
謙遜ではなく、本当のことだから悲しい。
すると、おじさまは微笑んで言った。
「いいんだよ。いろはちゃんがいてくれるだけで私たちは安心だ」
「えっ?」
どういう意味だろうと思った。
私がいると安心だなんて……。
「あの、それってどういう……」
「遥は難しい子でね。親の私でもよくわからないんだ」
おじさまは遠くを眺めて、どこか虚ろな表情で話す。
「しかし、いろはちゃんと会って結婚をしたら、ずいぶんと穏やかになったようだ」
おじさまは少し嬉しそうに微笑みながら私に目を向けた。
だけど私は逆に不安になっている。
「以前は穏やかではなかったということですか?」
前の遥さんはもっと怖い人だったのだろうか。
おじさまは苦笑しながら言う。
「そうではないが、ほとんど他人と言葉を交わさない、冷たい印象だったよ」
遥さんに一体何があったのだろう?