18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
17、ただいま!!
遥さんが退院してから私は彼のマンションに戻ることになった。
当初、彼と過ごすはずだった夏休みはすべて実家の両親との時間に費やしてしまった。
これから学校がはじまると、お互いにまた忙しくなってしまう。
それでも、毎日彼と会えるから、以前のような寂しさはないと思う。
「遥さん、病み上がりなのに私の荷物……」
彼は車を降りると片手に私の荷物を持ち、もう片方の手はしっかりと私の手を握っている。
「大丈夫。もうすっかりよくなったから。さあ、行こう」
「うん」
手を繋いだままエントランスに入ると、他の住人の方にちらりと見られて恥ずかしくなった。
「久しぶりの、遥さんの家」
そう言うと、彼は静かに反論した。
「それは違うな。ここはもう君の家だ」
「あ、そうだったね」
私の家だ。
以前も同じようにして「ただいま」と言ったけど、今回明らかに違うことは、以前よりもずっと遥さんのことを深く知っているということ。
そして、自分の気持ちもしっかりとわかっているということ。
まだ、直接言葉で伝えていないのだけど、そのチャンスはきっといくらでもあると思う。
ううう、だけどチャンスがあると思うと、いつ告白すればいいのかわからないよー!!
「どうしたの? いろは。緊張してる?」
遥さんは優しく私に話しかけてくれる。
「ううん、違うの。嬉しくて」
「そっか。俺も嬉しいよ」
にっこりと微笑む彼の表情に、私はとろけてしまうくらい頬が緩んだ。
私は玄関のドアを開けて「ただいま」と言った。