18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 遥さんは立ち上がって、ベッドから離れていった。

 私が起き上がると同時に彼は振り向いて、かなり困ったような顔で言った。


「これじゃ、ペナルティにはならないな。君は喜んでいる」

「えっ、そんなことないよ」

 とは言ったものの、嫌じゃないし、むしろもっとしてほしいと思った。

 だから、彼の言うとおりなのかもしれない。


「いろは、俺が悪かった。悪ふざけが度を越していた。ごめん」

「どうして謝るの?」

 急に不安になって私は思わず彼のそばまで駆け寄った。


「だって、成績がよくないのは私自身の問題だし、遥さんが呆れるのもわかるよ」

「あー……うん、違うんだ」

「何が違うの?」

 遥さんは頭をかきながら目線をどこか遠くへ向けて「うーん」と唸った。


「予想以上に素質があるのではないかと」

「え……何の?」

 遥さんはじっと私を見て、それから軽くため息をついた。

 それが私には不安で、彼の腕をぎゅっとつかんだ。


「私は何か遥さんが困るようなことをしたの? ねえ、教えて。どうしてそんなに不安な顔するの?」

 もう彼の心情が理解できなくて悩むようなことにはなりたくない。

 知りたい。遥さんの考えていることを、全部知りたいのだ。


「不安じゃないよ。ただ、ちょっと今は困る」

「えっ!?」

 やっぱり、私は彼を困らせているんだ。


「ごめんなさい」

「いや、謝らなくていいんだ。俺の都合だから」

「どういうこと?」

「うん、まあ……テストが終わったら教えてあげる。だから、君はとにかくまず目の前の問題を片付けることからだ。いいね?」

「……うん、わかった。でも、テストが終わったら絶対に教えてね!」


 遥さんはそれに対しても非常に困惑の表情になった。


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