18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
パフェのお店は、昼間なのに店の前に行列ができるほど混んでいた。
私たちは1時間ほど待たなければならなくて、私は途中でお手洗いに行った。
そして手を洗って出てきたとき、伊吹くんとばったり会ってどきりとした。
やっぱり、なんて言ったらいいかわからないので、とりあえず笑顔を向けてからみんなのところに戻ろうとした。
「秋月」
呼び止められた。
「え? はい」
おずおずと顔を向けると、彼は妙に真剣な表情をしていた。
まだちょっと怖い。
「その……何か、悩みとか」
「え?」
伊吹くんはいつもみたいに目をそらすことなく、私をずっと見ている。
何か訴えかけるようで、ドキドキする。
「悩みとかあったら、相談に乗ってやるよ」
「……伊吹くん?」
「だから、その……この前の礼だ! 助けてもらったから、俺も助けてやる。ただし、1回だけだ」
信じられない。
伊吹くんがそんなことを言ってくれるなんて。
めちゃくちゃ嬉しいよ。
「ありがとう。今は特に悩んでいることはないから、また、そうなったときに相談に乗ってもらうね」
「ああ、わかった」
「じゃ、みんなのとこに戻ろっか」
「そうだな」
伊吹くんは頬を赤らめて俯き、小走りで小春たちのところへ向かった。
なんだかほっとした。
伊吹くんは照れ屋なだけなんだ。
もしかしたらお友達になれるかもしれないなと思った。