18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「一緒に遊んでくれてもよかったのに。そうしたら、私はきっとあなたのことをもっと知っていたはずよ」
私は彼の胸もとに額を押しつけて、ぼそぼそと小声で言った。
すると、彼も小声でささやくように言う。
「君は、俺にとって女神だったから」
「ふふっ……何それ」
「遠くから見ているだけでよかった。でも、欲が出るものだな」
欲が出る。そう言われたら、私だってずっと彼を欲していると思う。
結婚してから、一緒に暮らしてから、大人のキスを知ってから。
彼に、触れられるようになってから。
私はずっと、もっとほしいと思ってる。
「わたし、も……」
顔を上げるとすぐそこに、遥さんの顔があった。
暗がりに息遣いの音と感触があった。
そして、唇に触れる感触もあった。
何度も触れては離れて、じれったいキスだなあと思った。
だから、私は彼にしがみつくように、彼の肩をぎゅっとつかんで自分からキスをした。
2次元で描かれるような綺麗なキスとは違って、体がぜんぶ溶けてしまうくらい気持ちよくて。
ついさっきまで怖いと感じていたのに、不思議だった。
キスひとつで、こんなに幸せになれるんだなあって。