18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

4、心の準備期間


 私立葉子二羽学園は大学まであるエスカレーター式の学校だ。

 私は初等部からここに在籍している。

 とは言え、ちゃんと勉強しないと附属校に進めないので、それなりにしっかりやってきた。


 外部から入学してくる生徒もたくさんいるけれど、基本的に小学校から一緒の子が大半で、うちのクラスもみんな比較的仲がいい。

 クラスの半分くらいはそのまま内部進学するけど、頭のいい子はもっとレベルの高い大学へ進学するために受験勉強をしている。


 この中で結婚する人って、私しかいないのだろうなあと思う。


 私はノートの端っこにシャーペンをさらさらと走らせた。

 その線は丸みを帯びていたり、ところどころ角があったり、細かい部分もあったりする。

 そうやって無意識に手を動かしていると、脳内にあった映像がありありとそこに描写される。


 ――いろはちゃんの趣味は何?――


 デートの日に遥さんに訊かれて、私は言えなかった。

 だって、遥さんには絶対に縁のないような世界だもの。


 友達の書いているBL小説の挿絵を描いています、なんて言えないよー!


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