18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 伊吹くんが、好き。誰を? 私……?


 突然そんなことを言われて頭がパニックになった。

 何を言っているのだろう、遥さんは。意味がわからないよ。

 彼の態度のどこに私を好きな要素があったというのだろう。


「変なこと言わないでよ。伊吹くんは……私のことを嫌っていて……ようやく最近、話せるようになったばかりだって」

 遥さんにそう言ったじゃない。


 彼はまた、真顔でじっと私を見た。

 というよりも、まるで威嚇するような目つきだ。

 例えるなら虎が牙を出して迫ってきそうなオーラ。


 こ、こわいっ……!!


「遥さん、もし……たとえ、それが本当だとしても、私には関係ないよ」

 あり得ない話だけど、私にそんな気はないから。

 今は伊吹くんが私に好意を持っている云々よりも、遥さんにそんな気持ちを抱かせているほうが、私にはつらい。


「それ、証明できる?」

 と遥さんは冷ややかな声で訊ねた。

「証明……?」


 ドキドキしながら彼の顔をうかがった。

 まだ、睨まれてる。

 遥さんは少し前のめりになって、私の顔を覗き込むようにして言った。


「俺はまだ、いろはに好きともなんとも言われてないんだけど」


 そうだった。

 結局、言うタイミングを逃していた!!



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