18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
10月になると学園祭があるけど、私たち3年生はほとんど受験勉強で忙しい。
そして、私は相変わらず苦手な数学の補講を受けている。
「まったく、小春は」
数学の教科書を持って移動しているとき、思い出してぶつぶつと声がもれた。
あのアイスを食べながらの公園デートで、タカの口もとについたアイスをカケルがなめ取って、あげくそのままキスをするっていう絵にしろだなんて。
恥ずかしすぎて誰にも見せられないよ!
「秋月」
カケルとタカの妄想をしていたら背後から声をかけられて、びくっと体が震えた。
「い、伊吹くん」
彼は真顔で背後に立っていた。
「ぼうっと突っ立ってると入れないんだけど」
「あ、ごめんね!」
慌てて避けると彼はすっと手を伸ばした。
「先に入れよ」
伊吹くんの紳士的な態度にじんと胸が熱くなった。
今の変なところを見られていたのは恥ずかしいけど。