18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
とりあえず、長門先生とは一切関わらないように、出会わないように、細心の注意を払って行動した。
保健室には行かないし、その近くに用事があるときも少し遠まわりするくらい気をつけて行動した。
それなのに、思いがけないところで長門先生とばったり出くわしてしまうのだった。
それは教室で集めたプリント類を職員室へ持っていく途中だった。
しかし、廊下の角で長門先生とぶつかりそうになり、驚いた拍子にプリントがバラバラと散らばった。
「す、すみません!」
慌てて拾い集めていると、彼も黙ってそれを手伝ってくれて、私に差し出した。
「ありがとう、ございます」
受けとってお礼を言うと、彼は満面の笑みを浮かべて言った。
「君は本当にどんくさいねぇ」
どきりとして固まった。
長門先生は笑顔のまま、私を見下ろしている。
「僕にはその魅力がまったくわからないよ」
彼の口調はとても穏やかで表情もやわらかいのに、言葉には棘がある。
無視をすればいいのだろうけど、ここまで言われたら黙っていられなくなった。
「わかっていただけなくて結構です」
まっすぐ彼を見据えてはっきりと言った。