18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 長門先生は私が反論すると思っていなかったのか、少し驚いた顔をしている。

 私も今までは彼から逃げようとしていたけど、ますます甘えていると思われるのは癪なので、一度きちんと向き合うべきだと思った。


「私は今は甘えているかもしれませんが、これから大学へ行って、たくさん勉強して、社会に出て、いつかは彼の役に立つ人間になりたいと思っています」


 長門先生は真顔でじっと私を見下ろした。

 まるでじっくりと品定めをするような、冷静な目だ。

 彼は黙って私を見ているだけなので、これ以上話すこともないなと思い、ぺこりとお辞儀をした。


「用事があるので失礼します」

 足早に、彼の横を通りすぎようとしたら、邪魔された。


「口先だけなら何とでも言えるんだよね」

「えっ……」

 長門先生は真顔のまま、私に接近してきた。

 そして、壁に追いやられた瞬間、彼は言った。


「君のような甘やかされて育った人間が、一生ハルのパートナーでやっていけると思ってんの?」


 長門先生の口調はもう“先生”の域を超えていた。


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