18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
< 遥 >

「お待たせしましたー。カップル様限定スイーツでーす」

 朝陽の注文したチョコレートケーキにはたっぷりの生クリームの上に♡柄の飾りがしてあった。

 そして♡柄のラテアートまで。


「へえ、凝ってるね」

 と遥は感心するように言った。

「可愛いですよねえ!」

 と朝陽がきゃぴきゃぴした声で反応した。


 例えるならポテトチップスが弾けてキラキラしているような姿だ。

 遥はじっと彼女を観察した。


「え……えっと、私の顔に何かついてます?」

「いや。若葉さんは普段とずいぶん違うのだなと思って」

「そ、そうですかあ?」

 朝陽は真っ赤な顔をしてチョコレートケーキを食べる。


「プライベートだと進化するんだね」

「進化?」

 会社ではじゃがいもにしか見えないのに、これは斬新だなと遥は思った。


「加工食品か……」

「え……はい? 加工……」

「ああ、こっちのことだから気にしないで」


 もしかしたら別のものにも進化するかもしれない。

 フライドポテトか、マッシュポテトか。


 あまり他の女のことは気にならないのに、今日の遥は脳内が大変忙しかった。



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