18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「うるさいな。余計なお世話だ」
と伊吹が抗議した。
「可愛いね、彼……正直で」
絢は笑いながら朝陽を見た。
彼女は頭が混乱しているのか、しばらく挙動不審な動きをしていたが、思い立ったように伊吹に質問をした。
「ねえ、あんたの学年に秋月っていう子は何人いるの?」
「は? ひとりしかいないけど」
「じゃあ、学校には何人いるの?」
「知らねーよ。何だよ?」
苛立った表情の伊吹に、朝陽はさらなる質問をした。
「ねえ、その子、いつから秋月なの?」
「は? いや、言ってる意味がわかんねーよ」
「あたしが意味わかんないのよー!」
パニック状態の朝陽と、怪訝な表情の伊吹。
そのふたりを見て、絢は笑った。
「お姉さんの失恋した人の相手がこの学校の生徒だそうだよ」
と絢は半笑い状態で話した。
伊吹は「ふーん」と興味なさげに反応したが、朝陽の次の言葉で驚愕した。
「秋月っていうのよ。たぶん、その子もそうよ」
「は? 何言って……」
「そういえば、さっき先生が伊吹に秋月さんとどうとかって……え?」
絢はふたりを見て何も言わずにただ笑っている。
「うそお、あんたの好きな子って、まさか……」
真っ赤な顔をして俯く伊吹を見て、絢はクスクス笑った。