18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
27、愛の証明
「お願い、いろは! あたしひとりじゃ勇気出ないの!」
「ええーやだよ」
小春の提案に私は拒否をした。
だって、彼女は自作小説のために長門先生とお近づきになりたいって言うんだもの。
絶対に嫌だよ、あんな人と関わるのは。
「普段はほら、なかなか保健室に行く口実がないじゃない? 今日みたいなイベントの日ってみんなテンション高くなってるから、ノリで行けるじゃない?」
「何その都合のいい話。だったら伊吹くんに頼んだほうがよくない? 彼はよく保健室に行ってるみたいだから」
「あら、いぶっきーそうなの? そういえば、以前はよく授業さぼってたけど、保健室にいたのねえ」
そう言うなり、小春はにやりと笑った。
「え……何?」
「いぶっきー、今は真面目に授業を受けてるみたいよ。特に数学の補講なんかは真剣にね」
「……だから、何?」
「はあ、やっぱり愛の力かしらねえ」
「何が?」
結局、保健室の前まで同行した。
だけど、中には入りたくないので外で待機している。
小春は嬉しそうに自作の同人誌を手に持ち、保健室に入っていった。
それとほぼ同時に私のスマホに電話が入った。
「あ、遥さん……今わたし……」
電話に出てみたものの、保健室の前にいるなんて言えない。
言いたくない。