18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
長門先生の次に声を発したのは小春だった。
「え? いろはの社会人の彼ってその人なの? まじ? めっちゃショーマに似てるう!!」
小春の反応は、ここにいる全員の空気とは明らかに違う気がした。
そして彼女は私に近づいてさらなる要求を突き付けてくる。
「ねえ、紹介してよ」
「うっ……」
ど、どうしよう。こんな、みんなの前で……伊吹くんだっているのに。
「いろは、俺にも紹介してよ。いろはの学校の人たちのことを」
遥さんはとても穏やかに微笑みながらそう言った。
絶対、裏がある顔だと思った。
だけど、この流れはもう紹介しないわけにはいかない。
「お友達の、小春」
と私が言うと、小春は遥さんに近づいて「はじめまして」と挨拶した。
すると遥さんはにこやかな笑顔で答えた。
「いつも、いろはから話は聞いてるよ。仲良くしてくれてありがとう」
「いいえぇ。当たり前のことですう」
小春は遥さんを見て、それから長門先生を見た。
「すごっ……! ショーマとリューセイが揃ってる! おふたりが並んだらめっちゃ絵になりそう~」
小春の言葉に私は苦笑するしかなかった。
「えっと、彼は伊吹くん。前に会ったから知ってるよね?」
「ああ、そうだね」
遥さんは伊吹くんに笑顔を向けた。
だけど、伊吹くんはものすごく怪訝な顔をして何も返答してくれなかった。
き、気まずい……!