18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「え? 伊吹、秋月課長と会ったことがあるの?」

 伊吹くんのとなりの女性がそう言って、少し驚いた。


 遥さんの会社の人……?


「前に遊園地で会ったね」

 と遥さんが言った。

 遊園地と聞いて鮮明に記憶がよみがえった。


「あっ……あさひちゃんですね!」

 と私が訊ねると、その女性も「あっ」と反応してくれた。


「パンダ好きのお姉ちゃんね! え……秋月課長の?」

 彼女が訊ねると、答える前に遥さんが私の肩をぐいとつかんで言った。


「そう。俺の奥さん」


 うわああああっ!!!

 この人、言っちゃったよー!!!


「は、遥さ……」

 慌てる私に彼は冷静に言う。


「もう隠さなくていいよね」


 そ、そんな……!

 伊吹くんがびっくりしてるよ。


 それに、長門先生が今までにないくらい冷たい顔で見てる。

 めっちゃ睨まれてる!!!


 そして小春は……。


「えええええっ!? 何それー。いろは、結婚してたのー?」


 だよね。その反応、当然だよ。


「ごめんね。卒業するときに言おうと思ってたの」

「ずるーい! そんなネタになりそ……いや、素敵なことなら言ってよー。友達なのにー」

「小春、今のは聞き逃さなかったよ」

「ちょっと、詳しく教えてよ。主に夫婦生活について」

「小春!!!」

 興奮ぎみに詰め寄ってくる小春に、答えたのは遥さんだった。


「大丈夫。全部、ここで話すから」

「え? それ、どういう……」

 首を傾げた瞬間、保健室の扉が勢いよく開いた。


< 328 / 463 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop