18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「え? 伊吹、秋月課長と会ったことがあるの?」
伊吹くんのとなりの女性がそう言って、少し驚いた。
遥さんの会社の人……?
「前に遊園地で会ったね」
と遥さんが言った。
遊園地と聞いて鮮明に記憶がよみがえった。
「あっ……あさひちゃんですね!」
と私が訊ねると、その女性も「あっ」と反応してくれた。
「パンダ好きのお姉ちゃんね! え……秋月課長の?」
彼女が訊ねると、答える前に遥さんが私の肩をぐいとつかんで言った。
「そう。俺の奥さん」
うわああああっ!!!
この人、言っちゃったよー!!!
「は、遥さ……」
慌てる私に彼は冷静に言う。
「もう隠さなくていいよね」
そ、そんな……!
伊吹くんがびっくりしてるよ。
それに、長門先生が今までにないくらい冷たい顔で見てる。
めっちゃ睨まれてる!!!
そして小春は……。
「えええええっ!? 何それー。いろは、結婚してたのー?」
だよね。その反応、当然だよ。
「ごめんね。卒業するときに言おうと思ってたの」
「ずるーい! そんなネタになりそ……いや、素敵なことなら言ってよー。友達なのにー」
「小春、今のは聞き逃さなかったよ」
「ちょっと、詳しく教えてよ。主に夫婦生活について」
「小春!!!」
興奮ぎみに詰め寄ってくる小春に、答えたのは遥さんだった。
「大丈夫。全部、ここで話すから」
「え? それ、どういう……」
首を傾げた瞬間、保健室の扉が勢いよく開いた。