18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
いじめをしてくる男子生徒たちは皆、金持ちだった。
その反面、絢の家は母子家庭で貧しかった。
諍いが起こるたびに、学校の教師は絢を問いつめた。
「やっぱり、母親に問題があるんだろうね。君のように問題を起こす生徒は」
最初の頃は反論もしていたが、だんだん諦めるようになった。
教師なんかみんなクソ野郎だ。
保身のためにしか動かない。
学校はいじめの加害者を守る。
被害者は泣き寝入りをするしかない。
その頃、絢にとって唯一信頼できる人物は、母親の恋人だった。
事実婚だったが、絢にとっては父親そのものだった。
彼は絢に多くのことを与えてくれた。
絢が私立の学校に通えたのも、彼のおかげだ。
彼は正式な手続きのもと、絢のために多額の金を贈与した。
そして、その見返りに、絢と体の関係になった。
母親の恋人は男を愛し、絢に手を出した。
絢も彼を受け入れ、母親に内密の関係を実に3年間も続けたのである。
中学3年になると彼との関係が母親にバレて、絢と男は引き裂かれることになった。
母親は怒り狂って絢を罵倒し、殴った。
「お前のせいで、あたしの人生めちゃくちゃだよ! お前なんか産まなきゃよかった!」
物心ついたときから数えきれないほど言われてきた言葉だ。
幼い頃はそれでも母親に認められたいと願ったが、中学生の頃に諦めた。