18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 翌日、学校裏の森にいじめの男子生徒たちを呼び出した。

 絢は彼らに宣言するように言った。


「お前らにはもう関わらない。今後一切、僕に近づくな!」

 強い口調で言ったつもりだ。

 それが気に食わなかったのか、彼らは絢を睨み、詰め寄った。


「おいおい、そんなこと言っていいの? 長門くん」

「長門ォ……まだ殴られ足りないのか?」

「もういっそ、死ぬか? ここに埋めてさ」

 ぎゃははは、と男子たちが高笑いするのを見て、絢は震えた。


 殺されてもいいと思っていたが、やはりいざとなると死ぬのが怖いのだ。

 絢は緊張のあまり、全身が震え、声も出なくなった。

 しかし、怯むことなく目の前の敵を睨みつけた。


「なんだ? その顔。気に食わねえな」

 とひとりが絢に詰め寄った。


 次の瞬間、その男子生徒の頭からどろどろとした液体が流れ落ちた。


「うわっ!? なんだこれ?」

「ぎゃっ!! くっせえっ!」


 彼らの背後には、片手に瓶を持った遥が立っていた。

 その瓶からかけられた液体だろう。

 絢はその臭いに思わず鼻を押さえた。


「……ガソリン?」

 絢は訝しく思いながら、遥を見つめた。

 遥は満面の笑みで、彼らに言った。


「燃やしたら、さぞかし楽しいことになるだろうね」


 絢はぞくりと鳥肌が立った。

 どうやら、とんでもなくヤバイ奴に助けを求めてしまったらしいと、今さら気づいた。


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