18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

30、秋月家


 12月は怒涛のごとく過ぎ去った。

 試験のあと体調を崩してほとんどを家で過ごしたけど、回復したら小春たちとのクリスマス会があり、クリスマスイブはおうちでゆっくり過ごして、年末は遥さんと一緒に私の実家に呼ばれてたくさんご馳走になった。

 母はいつものように張り切って料理を作ってくれたので、とにかく食べることばかりだった。


 その結果――。


「うう……苦しい」

 年始には体重が激増したのである。


「ちょっと太ったわね。もう少し帯を締めたいんだけど」

 母に着物を着せてもらいながらお腹の苦しさにひたすら耐えた。


「ママのせいだよ。あんなに料理するから」

「あら、全部食べなさいなんて言ってないわよ」

「残すのもったいないもん」

 久しぶりの母の料理が美味しすぎてつい食べ過ぎてしまったのだ。


「今日一日我慢しなさい。ほら、姿勢を正してね」

 鏡の前で肩をぽんと叩かれてそう言われ、思わずぴんと背筋を伸ばした。


「本家に恥ずかしくない態度でいるのよ」

「わかってるよ」

「でも、そんなに緊張することないわよ。気楽に行けばいいわ」


 今日は遥さんの実家に挨拶に行く日である。

 このために母は私に着物の着付けをしてくれたのだ。

 確かにおじさまとは良好な関係だけど、それは私が親戚の子だったからで、嫁の立場で会うのはやっぱり以前とは違う気がする。


 はぁ、緊張してきた。


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