18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「いろは、準備できたかい?」
「パパ!」
部屋に入ってきた父に駆け寄って「どうかな?」と両手を広げながら着物姿を見せた。
「うん。綺麗だよ、いろは」
「ほんと?」
「花嫁姿も楽しみだ」
「えへへへ」
父とまったりおしゃべりしていたら母から背中を押された。
「さあさあ、遥くんが迎えに来るわよ。早く準備して」
「うん」
遥さんの迎えで、私は彼の実家へ行くことになった。
両親は少し心配そうにしていたけど、遥さんが大丈夫と言って安心させてくれた。
「遥さんはお正月に何をしていたの?」
彼の車に乗って道中おしゃべりしながらさりげなく訊いてみた。
すると彼はあっさりと笑顔で答えた。
「何も。家にいたよ」
「ごめんね。私だけ帰っちゃって」
「いいんだよ。俺がそうするように言ったんだから」
そう。彼は私に正月は家族水入らずで過ごすように言ってくれたのだ。
「あ、あの……わたし、ちょっと太っちゃって……」
おずおずと報告をしたら彼はにっこりと笑って言った。
「大丈夫。俺といればすぐに痩せるから」
「え? なんで……」
「そうだ。結婚式について話そうか」
あれ、話をそらされた気がする。