18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
遥さんの今までの人生に、私はどのように関わってきたのだろう。
はっきり言ってぜんぜん覚えていない。
でも、長門先生の言ったことも気になる。
もう、この際だからちゃんと、訊いてみることした。
「わたし……わからないの。どうして遥さんが、そこまで私にこだわるのか……」
遥さんは黙ってじっと私を見ている。
これ以上訊くなということだろうか。
でも、私は知りたい。
「教えてほしい。あなたがどんな思いで生きてきたのか。なぜ、私をそんなに想ってくれているのか」
私は遥さんの手を握って、じっと見つめた。
彼は少し俯いて、何か考えるような仕草をした。
駄目なのかな、と諦めかけた瞬間、彼が口を開いた。
「その話をすると長くなる。今夜ゆっくり話そうか」
それから私たちは夕食を食べてシャワーを浴びたあと、熱い紅茶を入れて、ソファに並んで座った。
「初めてここに来た日のことを思い出すよ」
私がそう言うと彼は苦笑した。
「君は距離を置いていたけどね」
「だって、男の人の家って初めてで、すっごく緊張したんだもん」
「そうだよね。いろはにとっては初めて会ったようなもんだからね」
遥さんは紅茶をひと口飲んで、ふっと笑った。
「俺がどれほどあの日を待ち望んでいたか、君に教えてあげようか」
私はゆっくりと頷いた。