18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「いやあ、若いのにしっかりしている。さすが京一くんの娘さんだ」
そう言われた父は照れながら頭をかく。
おじさまがわざわざそう言ったのは父の顔を立てるため。
なぜなら父は婿養子だから。
おじさまと母は幼い頃によく遊んでいた仲らしい。
大人になってほとんど会う機会がなかったけれど、こうしてまた縁が繋がれて嬉しいとおじさまが言った。
「いろはちゃん、息子の遥だ」
おじさまの言葉にどきりとした。
同時に彼に目を向けると、向こうもこっちを見ていた。
切れ長の目に射抜かれて、失神しそうになるのを堪える。
お、落ち着け……彼は翔真じゃない!
「遥です。よろしくお願いしますね」
落ち着きのある心地よい声。
なんと、声までイケメンだったよー。
こんなに素敵な人が親戚にいたなんて知らなかった。
そう、私たちは親戚同士の婚姻ということになるのだ。
とは言っても、かなり遠いけど。