18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 あのキスを思い出しただけで心臓が(せわ)しく動いて顔が熱くなる。

 恥ずかしい……でも、その先のことは怖い。


「いろは、そういうこと嫌なの?」

「嫌っていうか、わかんないから怖くて……」

 そう言うと、由希ちゃんがいきなり私に抱きついて頭をわしゃわしゃ撫でた。


「かーわいいーいろは、かわいすぎ!」

「ちょっと、由希ちゃん」

「そんなことで悩む(とし)なのねー」

「由希ちゃんにもそういうときあった?」

「覚えてないなあ。もうずいぶん昔のことだし」


 私が不安げな顔をしていると、由希ちゃんは私の肩をぽんっと叩いた。


「大丈夫よ。そんなに深く考えなくてもいいから。相手と自然にそうなりたいって思えるようになるからね」

「そうなの?」

「うん。ちゃんと、いろはのことを大事にしてくれる相手なら無理強いはしないし、あんたも無理することはないのよ。まあ、そういうことは結婚してから話し合ってもいいかもね。優しそうな人なんでしょ?」

「うん。とっても優しい」


 そう言うと、由希ちゃんは穏やかに微笑んでさらりと言った。


「あ、そうだ。相手もわかってると思うけど、卒業までは避妊しなよ。できちゃったら大変だよー」

「う、うん」

 由希ちゃんはほろ酔い状態で軽く言ったけど、結構リアルだなと思った。



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