18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 それから季節は春を迎え、私は大学生になった。

 伊吹くんや高校のときの子たちとは学部が離れてしまってほとんど会うことはなくなったけど、新しい友達ができた。

 大学は自由な空気があって、学生はみんな合コンに行ったりバイトをしたりしている。


 私は講義に出て、図書館で課題をやって、それから帰宅するという地味な生活を送っている。

 だって、遥さんがサークルや合コンで男の子と出会うのを禁止しているから。

 いくら奥さんでも私には個人の自由があるんだから、ということで漫画イラストサークルには入っている。

 ほとんど女子。


 そして私は学校の他に――。


「いらっしゃいませ。あっ……!」

 明るく挨拶をして迎えた(あいて)は休日モードの遥さんだった。


「そこのマドレーヌください」

 と彼は笑顔で注文した。


 私は妙に恥ずかしくなって、ドキドキしながら「かしこまりました」と返事をして商品の箱詰めをした。

 私は今、洋菓子店“YAKUSA”でアルバイトをしている。


< 455 / 463 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop