18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
バイトが終わる頃にやって来た遥さんは私に連れて行きたいところがあると言って、私たちはそのまま目的の場所へ車で向かった。
行きの車中で私は何の前触れもなくバイト先のお店に現れた彼に抗議した。
「いきなり来ないでよ。びっくりしちゃうよ」
「なかなかサマになってたよ」
「ほんと?」
「ああ。接客もきちんと出来ていたし、商品の間違いもレジの打ち間違いもなかったよ」
「い、言わないでよお!」
バイトを始めたばかりの頃は失敗ばかりで毎回落ち込んでいた。
だけど、半年経つ頃にはミスも少なくなってきたし、ちゃんとはっきり声を出して接客できるようになり、今はもう狼狽えることもほとんどなくなった。
「ところで今日はどこへ行くの?」
「君の夢を叶える場所へ行くんだよ」
「え!?」
ゆ、夢の国かなあ?
でも、もう夕方の6時だし、今からじゃそんなに遊べないよね。
などと思いながら到着した場所は少し高そうなお店だった。
全面がガラス張りになっていて、ショーウィンドウにドレスが飾ってある。
「え? え……ここって」
戸惑う私に遥さんが手を伸ばしてきた。
「さあ、行こう。シンデレラ」
私はドキドキしながら彼の手を取った。