18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「本物のガラスじゃ、挙式のときに履けないからね。この店のデザイナーと相談して、なるべく近い形で作ったんだよ」
遥さんはスタッフから靴を受けとると、私の前に膝をついた。
「どうして、まさかあんな小さい頃のことを……」
「覚えているよ。さあ、足を出して」
彼は私の片足に手を添えて、靴をそっと当てた。
「君は魔法でドレスを着て、城へ行くと言った」
彼はそう言いながら、私の足に靴を滑らせるように履かせていく。
「そこで王子に会って結婚して、ずっと一緒にいると言った」
靴は硬そうな見た目とは違い、やわらかくて履き心地がいい。
「そして、ガラスの靴を履くと言ったんだ」
透明の宝飾がキラキラ光るその靴は、私の足にちょうどよくフィットした。
「まあ、ぴったりですね。よくお似合いですよ」
とスタッフの人に言われた。
両方履いてみると、不思議な感じがした。
本当にぴったりで、まるでシンデレラがこの靴の持ち主として証明されたときのシーンのようでドキドキした。