18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
遥さんが手を伸ばしてきたので、私はその手を取って立ち上がった。
靴はぴったりだけど窮屈ではなく、少し歩いてみたけど軽くて歩きやすい。
「私の足のサイズ、いつの間に……」
「式場で靴のサイズを測っていたよね」
確かにドレスを試着するとき靴も履いてみたけど、そのとき正確に測った足のサイズを彼は記憶していたのだろう。
私に内緒でこんなサプライズを用意してくれるなんて。
「ありがとう、遥さん。とっても素敵。夢を叶えてくれるなんて、私は本当に幸せだよ」
本当に、こんなに幸せでいいのかなっていうくらい。
「それは、俺のほう」
と遥さんは言った。
彼は私と向き合って、私の両手を握った。
「この靴の持ち主を探していた。ずっと昔から、この日が来るのを待ち続けた」
まるでシンデレラを探す王子さまのストーリー。
そうか。私はあのとき、4歳のときに、ガラスの靴を片方だけ、あなたの記憶に残していったのね。
「やっとだよ」
と彼は切なげな表情で笑った。
周囲でパチパチと拍手が起こり、恥ずかしくなってしまった。
だけど、遥さんはまったく動じることもなく、ただ私の両手を握って微笑んでいた。
遥さんの気持ちが胸の奥に深く伝わって、嬉しさと切なさに涙がじわりとあふれそうになった。