18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「まあ、いいよ。いろはの写真は絢が撮ってくれる手筈だから」
「えっ……」
そりゃ、隠し撮りの天才だよ。
さぞかし上手く撮ってくれるだろう。
式場のカメラマンの人もびっくりなくらいの。
「なんか、複雑なんだけど」
「楽しみだな。どうやっていろはの写真集を作ろうか、考えただけでもわくわくするよね」
出た出た、遥さんの変態性癖。
でも、私だって負けないよ。
「私なんか、イラスト入りで【はるかアルバム】を作っちゃうから」
「へえ、それは楽しみだ」
「負けないから」
「俺に勝てると思う?」
「絶対すごいの作るもん」
私たちが言い合いをしていると、今度は加賀さんが控室に顔を出した。
「まあ、本当にお綺麗ですわ!」
「ありがとうございます、加賀さん」
私がお礼を言うと、彼女は笑顔で涙ぐんだ。
遥さんは加賀さんを母親代わりにしている。
けれど、一応きちんと義両親は出席している。おじさまと美景さんは終始笑顔でゲストに対応していて、知らない人が見たらとても仮面家族とは思わないだろう。
私の母が明るく振る舞って、雰囲気はより良いものになっている。
前もって母に事情を話したら、驚くこともなく「任せて」と言った。
おそらく、おじさまのことを誰よりもよく知っているからだろうと思った。