18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 晴天の下、緑に囲まれた小さな教会で、私たちは結婚の誓いを立てた。

 もう今まで何度だってふたりで誓ってきたことだけど、みんなの前で披露するのは初めてで緊張した。


 ブーケは小春が受けとった。

 小春は「結婚願望なんてないのにー」と言いながらもすごく嬉しそうにしていた。

 となりで由希ちゃんが「だったらあたしにちょうだいよ」と笑いながら言っていたけど、小春は「将来のために受けとっておくわ」と譲らなかった。


 遥さんはみんなの前でいきなり私をお姫さま抱っこした。

 わっと歓声が上がる中、小春は「きゃーきゃーきゃー!」と人一倍声を上げていた。

 それから遥さんは私の頬にキスをした。

 周囲の歓声はさらに大きくなった。


 次から次へと繰り出されるドッキリに私自身がついていけない。


「は、遥さん、恥ずかしいよ」

「こういうイベントでないと公共の場でなかなかできないだろ。こういうこと」


 私は学園祭を思い出し、そういえばそういう人だったと納得する。


「今、どういう気分?」

 と訊かれたので、私は笑顔で答える。


「最高に幸せ!」

「俺も」


 お姫さま抱っこのままキスをした。

 もう周囲の歓声は耳に入らなかった。


 じんわりと、幼い頃の小さな思い出がよみがえった。

 きっと一生、忘れないだろう。





【いろは、おにいちゃんと、けっこんする】

【その夢、必ず叶えてあげるから。待っててね】


♡.。.:.+ *。完 。゚:*+.:.。.♡


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