18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
『いろは? どうしたー?』
ぼうっとしていたら由希ちゃんの声がして、慌てて返事をした。
「な、なんでもないよ! じゃあ、遥さんに都合がいい日を聞いておくね」
電話を切ったあと、しばらくぼんやり過ごした。
彼とのキスのことばかり何度も思い出してしまう。
そのたびに顔が熱くなってドキドキして、胸の奥がぎゅっと痛くなった。
「ああ……困ったよ」
お風呂を済ませて髪を乾かして、明日の準備をして、ベッドにもぐり込む。
恥ずかしくて布団をかぶったり、少し顔を出したりくり返した。
「結婚したら、あんなこと毎日するのかな?」
大人のキスはまだ慣れない。
けれど、嫌じゃない。
「ううん、結婚したらあれよりもっとすごいことを……」
考えると涙が出るほど恥ずかしくなった。
「きゃああっ!」
布団をかぶって悲鳴じみた声を上げた。
キスよりすごいことなんて……。
どうしたらいいのーっ!!!