18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「最近のいろは、やっぱり変だわ。何かあった?」


 授業が終わって部室に向かう途中で小春が私に訊ねてきた。

 なんでもないって言っても彼女はきっと問い詰めてくるだろうなと思って、私はついに打ち明けることにした。


「小春、ちょっと……」

 私が周囲を見まわしてこそっと言うと、小春は「ほい」と耳を傾けてきた。


 結婚するとは言わず、最近お付き合いをしている人がいると伝えた。

 すると小春は目を見開いて私を凝視した。


「まじ?」

「……うん」

「うそん」

「ほんと」

「やだ、まじ?」

「だから、ほんとだってば!」

「えー? だっていろはでしょ? リア充とか、ないわー」

「言われると思ったからなんとでも言えばいいよ」


 冷めた口調でそう言うと、小春は「ごめんごめん」と謝った。


「それにしても、いつの間に? 同じクラスの子? それとも別のクラス? まさか学年が違うってことないよね? 年下とか」


 小春は学校の子と付き合っていると思ってるんだ。

 私は当たり障りのないことを言った。


「学校の人じゃないよ。年上の……社会人」


 そう言うと、小春はまたもや仰天の顔で口を開けたまましばらく固まった。

 私が彼女の顔の前で手のひらを振ると、ハッとしたように表情が緩んだ。


「社会人と知り合うなんて、あんた怪しげな合コンでも言ったの?」


 なぜ、そうなる?


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