18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
私は部室に入る前に小春に念を押しておくことにした。
まだ公にされたくないし、結婚することは言っていないから。
「みんなには内緒にしてくれる?」
「いいけど、なんで?」
「社会人と付き合っているなんて噂が流れたら、困るなあって……」
「そう? あたしだったら堂々と言っちゃうけど。まあ、いろはが隠したいっていうなら言わないよ」
「ありがとう」
小春は部室のドアを開けようとして、手を止めた。
「ま、知らないほうがいい人もいるし」
ぼそりと彼女が言った言葉に首を傾げる。
「え? どういう……」
「とりあえず、その経験をしっかりイラストに活かしてね! ショーマとリューセイのキスシーンできた?」
「あ、忘れてた!」
「もう! 仕事はしっかりしてよー」
「ごめん」
小春がドアを開けると、すでに後輩が数人来ていた。
小春は彼女たちに向かって高らかに宣言する。
「さあー今日もしっかり推しを愛でようー!」