18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
6、大人たちの攻防戦
週末に遥さんのおうちに招かれた。
てっきりどこかのお店で会うのだと思っていたんだけど、家のほうがゆっくり話ができるからと遥さんが言って、私と由希ちゃんはふたりでお邪魔することにした。
私は一度来たことがあるけど、由希ちゃんははじめて。
だから彼女はエントランスに入る前に呆気にとられてマンションを見上げた。
「わー、金持ちっぽい。いろは、ここに住むの?」
「うん、しばらくは。そのうち新居に引っ越すって聞いてる」
「へえ。ここでもいいんじゃない? 環境もめっちゃよさそうだし、近くにスーパーもあるしさ」
確かに、都会の中なのに緑が多い。
マンションの周囲には木がいっぱい植えてあり丁寧に手入れもされている。
まさに、外界から完全に遮断されたような異空間になっている。
エントランスを入った共用スペースは大理石の床で、窓は全面ガラス張りになっていて緑いっぱいの景色が見える。
「お部屋はもっとすごいよ。夜になると夜景が綺麗に見えるの」
私はエントランスで遥さんの自宅のインターホンを鳴らした。
彼はすぐに応答して、扉が開いたので私たちはそのままエレベーターに乗り込んだ。