18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「こんにちは。はじめまして」

 私たちが自宅を訪れると遥さんは笑顔で出迎えてくれた。


「はじめまして。間宮由希です」

 由希ちゃんは軽く会釈をして挨拶をした。


「会ったことがあるみたいだけど、お互いに顔を合わせるのははじめてのようですね」

「そうですね。今日はわざわざお時間をいただき、ありがとうございます」

「いいえ。さあ、どうぞ」


 ふたりが笑顔でやりとりをしていて、私はほっと安堵した。


 遥さんがスリッパを用意してくれて、私たちは「お邪魔します」と言って部屋に入った。

 リビングに行くと、由希ちゃんが私と同じような反応をした。


「すご……広いし、景色が一望できる」

「ね、夜景も綺麗だよ」


 私が振り返ると、遥さんはキッチンで作業をしていた。

 料理の匂いがする。

 ダイニングテーブルにはグラスと食器とフォーク、ナイフ、スプーンがすでにセットされていた。

 急いでキッチンに向かうと、香ばしい匂いが鼻をくすぐった。


「すごい。遥さんが作ったんですか?」

「簡単なものしかできないけどね」

 にこやかにそう言う彼に、私は呆気にとられて言葉を失った。


 遥さん、何でもできるんだ……。


 私の背後から由希ちゃんが覗いて、彼女も驚きの声を上げた。


「うそ……スパダリじゃん」



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