18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
創作料理のフルコースを堪能しながら私以外の大人たちはワインを飲んで経済とか世界情勢とかそんな話で盛り上がった。
私も知っていることはあったけれど、この中で唯一未成年の私は黙ってそれらの話に耳を傾けるだけだった。
お腹が膨れてくると腰に巻いた帯がきつくて苦しくなってきたけれど、笑顔を絶やさず食事を続けた。
デザートを食べ終えたところで、遥さんがおもむろに立ち上がった。
「少し、庭に出てきてもいいですか? いろはさんとお話がしたいので」
どきりとして急に鼓動が高鳴った。
一同が彼に注目する中、おじさまが笑って言った。
「ああ、そうだな。せっかくだから、ふたりで話してきなさい」
「ええ、それがいいわ」
と母も同意した。
「じゃあ、行こうか」
と遥さんが極上の微笑みを投げかけてくれて、私はくらりと軽く眩暈がした。
「……はい」
どうしようどうしよう。
何を話せばいいのかわからないよ。
内心ドキドキしながらも、なんとか平静を保ち、笑顔で彼のあとについて部屋を出た。