18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
それから由希ちゃんとゆっくり夜の山下公園を散歩しながら話した。
涼しい風が気持ちよくて、私たちの他にも散歩している人たちがいた。
真っ暗な海にキラキラ光る夜景が映って見える。
潮風が気持ちよかった。
「ねえ、由希ちゃんは彼氏さんとはどうなの?」
訊ねると、彼女は髪をかき上げながら笑った。
「うん。まあまあうまくやってるよ。付き合い長いし、いちいち細かいことで喧嘩もしなくなったしね」
「そっか。いいね」
私はこれから遥さんとどんな関係を築くのだろう。
本当未知のことだから、わくわくするけどまったく不安がないわけでもない。
だけど、遥さんが相手ならきっと信じられるし、うまくやっていけると思った。
「それよりあんた、結婚する前に期末試験だからね。勉強してる?」
「うっ……日本史は、大丈夫だよ」
「数学よ、数学。あんた壊滅的にあれが駄目だからね」
「だって難しいんだもん」
急に現実に引き戻されてしまった。
「まあ、受験しないならそこまでうるさく言わないけどさ。あんまり成績悪いと頭の悪い嫁だって思われちゃうよ」
「それは嫌だ」
遥さんの妻として、それはいけない気がした。
「私、頑張るよ」
「まあ、ほどほどにね。誰かに甘えてばかりじゃなくて自立できる力くらいはつけておかないとね」
「うん」
でも、正直このときは、あんまりよくわからなかった。