18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 そして迎えた7月5日、私は18歳になった。

 誕生日は家族でお祝いをして、後日遥さんと一緒に婚姻届を出しに行った。

 これで私たちは本当の夫婦になった。

 市役所からの帰り道、遥さんにきちんと挨拶をした。


「これから、どうぞよろしくお願いします」

「うん。こちらこそ、よろしくね」


 遥さんは穏やかな笑顔で返してくれた。

 彼と一緒ならなんでもできる気がした。


 そのあと、ふたりでイタリアンのランチを食べて、彼は私の荷物を運ぶ手伝いをしてくれた。

 引っ越し業者を呼ぶほどの荷物はなくて、彼の車で運べる程度だった。


 私は実家を出るときに、父と母とハグをして挨拶をした。

 ふたりは遥さんに「娘をよろしくお願いします」と挨拶してくれた。


 少し寂しかったけど、いつでも帰れる距離だから、遥さんは私に「寂しくなったらいつでも実家に行けばいいよ」と言ってくれた。

 そして、もう何度か訪れたことのある彼の家に、私は帰り着いた。


「お邪魔します」

 といつものように玄関先でそう言ったら、遥さんが笑った。


「もうここは君の家だよ」

「あっ、そうですね。えっと……ただいま」


 遥さんは私にすっと手を伸ばした。


「おかえり」


 笑顔の彼の手に引かれて、私は自分の家に入った。


「じゃあこれ、うちの鍵ね」

「ありがとうございます」


 私は遥さんから自宅のカードキーを渡された。

 大切にしなくちゃ。


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