18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 遥さんが皿を洗ってくれて、私はテーブルを綺麗に拭いた。

 うちは両親とも両方家事をしていたから当たり前の環境で育ったけど、友だちの家は母親だけが家事をしていると聞く。


 遥さんは料理も家事も一緒にしてくれる。

 価値観が一緒の人でよかったと思う。


「じゃあ、勉強を見てあげるから準備して」

「え? はい」

 片付けを終えるとすぐにそう言われて、少し落胆した。


 遥さんは切り替えも早いなあ。

 私はもっとだらだらしたいんだけど、彼と一緒だとそれは許してもらえそうにない。


 ダイニングテーブルに教科書とノートを広げて私のとなりに遥さんが座った。

 テストの解答用紙はノートの下に隠しておいたんだけど、遥さんは黙ってそれを取り出した。


「あっ……待って、それは」


 慌てて奪い返そうと思ったけどもう遅い。

 遥さんは私の解答用紙を見て、真顔になった。


 そりゃ、なるよね。だって数学45点なんだもの。


「いろは、本当に苦手なんだね」

「ごめんなさい」

 きっとすごく呆れているだろうと思い、ちらりと彼の表情をうかがった。

 すると彼はなぜかにっこりと笑顔になった。


「大丈夫。次はこんな点を取らせないから」


 遥さんの笑顔と口調にぞくっとした。


 これ絶対イラっとしてる……!


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