18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
「ごめんなさい」
「謝らなくていいよ。苦手なものは仕方ない。でも、必ずできるようになるから」
穏やかな表情で優しく言われて、ほっと安堵した。
よかった。さっき一瞬だけめっちゃ怖かったけど、気のせいだよね……。
本当に、彼はとても丁寧に教えてくれた。
優しくて、たぶんすごくわかりやすく教えてくれているのだろうとは思うのだけど……。
はっきり言って近すぎて勉強どころじゃない。
「ね、ここに公式を当てはめれば簡単だよ」
遥さんの低くて穏やかな声が耳もとですると、どきりとして手が震えた。
「……は、はい」
「じゃあ、もう一度最初からやってみようか。できるまでね」
「ひっ……」
思わず悲鳴じみた声をもらした。
だって遥さんの吐息が、耳にかかるから……。
勉強どころじゃない。
「遥さん、もう少し……」
離れてくださいって言ってもいいだろうか。
このままでは頭が働かないし、心臓だってもたない。