18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「どうしたの?」

 と遥さんが小さな声で私に訊ねた。


「えっと……」

 私は今、数学をしているのか何かの忍耐力を試されているのか、頭が混乱してわからなくなってきた。


「顔が赤いな。熱でもあるのかな?」

「ふ、えっ……?」


 遥さんが突然私の背後から手をまわして私の頭を掴んだ。

 そして、彼はそのまま私を抱き寄せて、額をこつんと合わせた。


「はる、か……」

「ずいぶん熱いな。体調でも悪い?」

「ち、ちが……」


 違うの……あなたが近すぎて、ドキドキしすぎて心臓が止まりそうなんだよ。


 遥さんは「ん?」と額を合わせたまま訊ねた。

 無理……呼吸が苦しくなるくらいドキドキする。


 これ以上耐えられないというとき、遥さんはやっと離れてくれた。

 けど、顔は近づけたままで、彼はずっと私と目を合わせている。


「あ……遥さん」


 どうしよう……私は今、とんでもないことを考えている。

 このまま、彼とキスがしたいと思っている。

 せっかく勉強を教えてもらっているのに、こんなことを考えるなんて……。


 私はこんなにだらしない子だったのだろうか。


 でも、したい……!



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