【1月書籍化&コミカライズ配信中!】今宵、この口づけで貴方様を――
玻玖と和葉の前には、酒の注がれた大中小の3つの盃が並べられている。
その一番小さな盃を手に取る玻玖。
ゆっくりと口をつけ、それを和葉へ手渡す。
和葉は無表情で盃を受け取ると、紅の塗られた唇を触れさせる。
かすかに波打つ盃の酒。
それを貴一は見逃さなかった。
こらえながらも、ニヤリと口角はわずかに上がってしまう。
和葉の唇が触れたあの盃と酒は、『眠毒ノ術』で侵された。
あとは順序どおりに、その酒を再び受け取った玻玖が飲めば――終わり。
こんなにも思ったとおりに計画が進むものかと、貴一は笑いをこらえるのに必死だった。
盃は、和葉の手から玻玖のもとへ。
まさかその酒に毒が盛られているとも知らず、玻玖が盃に口をつける。
すべての視線が玻玖の口元へと集まった。
ゴクリと、玻玖の喉仏が上下する。
その一番小さな盃を手に取る玻玖。
ゆっくりと口をつけ、それを和葉へ手渡す。
和葉は無表情で盃を受け取ると、紅の塗られた唇を触れさせる。
かすかに波打つ盃の酒。
それを貴一は見逃さなかった。
こらえながらも、ニヤリと口角はわずかに上がってしまう。
和葉の唇が触れたあの盃と酒は、『眠毒ノ術』で侵された。
あとは順序どおりに、その酒を再び受け取った玻玖が飲めば――終わり。
こんなにも思ったとおりに計画が進むものかと、貴一は笑いをこらえるのに必死だった。
盃は、和葉の手から玻玖のもとへ。
まさかその酒に毒が盛られているとも知らず、玻玖が盃に口をつける。
すべての視線が玻玖の口元へと集まった。
ゴクリと、玻玖の喉仏が上下する。